コラム

流行中の百日咳(予防接種に対応しています)

最近百日咳が流行しています。
百日咳は、赤ちゃんがかかると重症化したり、妊娠中のお母さんがかかると生まれてくる赤ちゃんにも感染し重症化する恐れのある感染症です。
当院では、百日咳の感染予防のため、予防接種を行っていますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

百日咳とは…?

百日咳は、子供の感染症だと思う方も多いのですが、実はそうではありません。
百日咳菌が原因の感染症で、大人でも感染する可能性は十分にあるのです。
また、乳児は重症化しやすいことがあり、妊婦さんに予防接種を行うと、お母さんと生まれた赤ちゃんの感染予防をすることができます。
以降では、百日咳の症状や潜伏期間、感染経路や治療方法などについて解説しますので、百日咳について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

症状

はじめのうちは風邪症状が出たのち、徐々に咳が激しくなり、その名の通り咳が長引くのが特徴です。
初期は軽い風邪のような症状ですが、次第に咳の症状が重くなり、回復期に突入すると激しい咳発作は次第に落ち着いていきます。
「短い咳が連続的に起き、咳が終わるとヒューと音を立てて大きく息を吸い込み、痰が出ておさまる」といった症状を繰り返すのが百日咳の特徴です。
また大きな特徴として、大人と子供で大きく症状が違うことがあげられます。
子供は、感染すると重症化しやすいため注意が必要です。

●大人の症状:
大人が百日咳を発症しても症状は軽く、普通の風邪とあまりかわらないため風邪と見分けるのはとても困難です。
大人だけでなくワクチン接種をした方も同様で、百日咳特有の咳症状が見受けられないため、普通の風邪と勘違いして過ごす傾向にあります。人によっては嘔吐や無呼吸発作の症状があらわれることもあります。
●子供の症状:
子供や赤ちゃんは、大人とは違い百日咳を発症すると重症化しやすいです。
特に3〜6か月の乳児の重症化リスクが高く、呼吸困難による心肺停止、肺炎、脳症の合併が見られるケースもあります。
6か月未満の赤ちゃんの場合は、命を落とす危険性が高い病気であるため、とくに家庭内で感染者が出た場合は感染しないよう細心の注意が必要です。

潜伏期間・感染経路

百日咳菌の飛沫感染・接触感染により、7~10日の潜伏期を経て発症します。
感染者の咳やくしゃみなどにより放出された飛沫を吸い込んだり、直接接触したりすることで感染します。
なお、百日咳菌は鼻咽頭や気道に付着して感染を起こします。

診断

子供や赤ちゃんの場合は、百日咳特有の症状から臨床診断が可能なのですが、大人の場合は症状からの診断は困難です。
そのため、診断を確定させるために、培養検査や百日咳菌の遺伝子検査、血液検査を実施します。

治療方法

百日咳の治療では、抗菌薬が投与が用いられます。
初期に抗菌薬を投与することで、治療がスムーズに進みます。
投与期間は約1週間で、治療を行う過程で次第に感染力はなくなっていきます。
また咳発作への治療には、咳や痰の症状を抑える薬が用いられ、場合によっては気管支拡張剤を使用することもあります。

予防方法

強い感染力を持つため、定期的に予防接種を受けることが大切です。
ただ、ワクチンの効き目がなくなったり、免疫力が低下していたりすると発症することもあるため、マスクの着用・手洗いやうがいなども含めて、複合的に予防することが重要です。

【妊娠中/予防接種対象の方】
妊娠週数:27週~36週までの方